キラキラ輝くクリスマスにぴったりの結晶群のおはなし

この記事は、日曜数学アドベントカレンダーの10日目の記事です。

www.adventar.org

 

いつも素数大富豪の分析など、とっても楽しい記事を書いて下さる
二世さんからバトンを引き継ぎました!

二世さん、いつかぜひお会いしたいです!^^

nisei.hatenablog.com

 

こんな風に素敵に引き継いでくださったのですが・・・

日曜数学アドベントカレンダー、明日はHaru Negamiさん(数学カフェさん?)の「キラキラ輝くクリスマスにぴったりの結晶群のおはなし」だそうです!おもしろそう!


酷い風邪を引いて、寝込んでしまい、
キラキラどころかゼハゼハしております。。。汗

ひとまず本日は、概要のみで失礼させていただき、
後ほど追記します!すみません。。。

それでははじまりはじまり〜。

目次

・群と対称操作
・結晶の種類
・なぜこの研究が重要か

 

群と対称操作

 

さて。改めまして本日は、「結晶群」をテーマにして記事を書こうと思います。

 

結晶って、雪の結晶、とかの結晶???

f:id:haru_negami:20161202001622j:plain    ふわふわ.

 

結晶と…群?!どう関係があるの???

と思われる方も多いと思います。

 

結晶とは。

結晶 - Wikipedia

結晶(けっしょう、crystal)とは原子分子が空間的に繰り返しパターンを持って配列しているような物質ある。

 

ふむふむなるほど。 

そういえば中学や高校で、塩の結晶やミョウバンの結晶など、

沢山学びましたね!

 

 

こうした結晶の構造を理解することは、

なんと生物学の分野でもとても重要な課題です。

 

たとえば、体の中にある分子は、

そのままでは形を測定するのは難しいのですが、

結晶化して規則的に分子を並べることによって、

X線による構造解析*1を可能にします。

 

はるさんもよく夜なべして、500個くらいサンプルを仕掛け、

タンパク質の結晶を作っていました。

 

 

 

 

さて、その結晶が、数学に登場する「群」と、

どのように関係するのでしょう?

 

 

ある物理・化学・生物現象を数理モデルにする際には、

その現象にどんな規則があるかを知ることが重要です。

そして、その規則はどんな数学で記述できるのかを考え、

式に落とし込みます。

 

結晶は、最初の定義で述べた通り、

「原子や分子が空間的に繰り返しパターンを持って配列しているような物質

即ち、空間的な繰り返しパターンを記述する数学的概念が求められます。

それこそがまさに、「群」なのです。

正確に言うと、群の中でも合同変換群によって、

平面や空間の繰り返しパターンを記述することができます。

 

 

繰り返しパターンがある、ということは、

ある1つの繰り返し単位と合同なものが多数生成されるような

変換(操作)が存在するということを意味します。

 

平面(2次元ユークリッド空間)の合同変換は、

以下の3種類に分類することが出来ます*2

 

 

定理1
ユークリッド平面の合同変換は、平行移動、回転移動、並進鏡映のいずれかである。

 

 

さて、群とは、次の3つを満たす、集合 G と二項演算 μ の組のことをいいます。
(二項演算とは、2つの値から、新たな値を作るような計算方法のことです。)

ものの集まり G だけでは、グループの要素同士の関係性はわかりませんが、
二項演算 μ を加えることで、要素同士の関係性を定めることが出来るのです。


では、定義を見てみましょう。

 

群 (数学) - Wikipedia

 

1. (結合法則

任意の G g, h, k に対して、μ( g, μ(h, k)) = μ( μ(g, h), k) を満たす:

{\displaystyle (\forall g,h,k\in G)[\mu (g,\mu (h,k))=\mu (\mu (g,h),k)].}

2. (単位元の存在)

μ(g, e) = μ(e, g) = gG のどんな元 g に対しても満たすような G の元 e が存在する:

{\displaystyle (\exists e\in G)(\forall g\in G)[\mu (g,e)=\mu (e,g)=g].}

このような e は存在すれば一意であり、G単位元という。

 

3. (逆元の存在)

G のどんな元 g に対しても、μ(g, x) = μ(x, g) = e となるような G の元 x が存在する:

{\displaystyle (\forall g\in G)(\exists x\in G)[\mu (g,x)=\mu (x,g)=e].}

 

 

平行移動、回転移動、並進鏡映という各々の操作を群 G の元とみなし、
二項演算を操作の繰り返しと定めます。


その組み合わせをうまく取ると、

・1の結合則を満たし、

・何もしない、という操作を単位元とすることができ、

・各操作に対して、それを元に戻すような操作を逆元としてGの元に含み、

群とすることができます。

 

この、うまく取るときの取り方によって、

様々なパターンの結晶の構造を表すことが出来るのです。

 

 

 

結晶の種類

 

さて、先程、操作をうまく取ると書きました。

様々な結晶が、どんな操作の組合わせで表せるのか、

次に書いていきたいと思います。

 

1. 塩の結晶

こちらの図を御覧ください。

 

f:id:haru_negami:20161203021808p:plain

塩の正体:いろいろな結晶|世界の塩・日本の塩|たばこと塩あれこれ|たばこと塩の博物館

 

3次元のユークリッド空間上で、1つの点が3つの方向に平行移動しているほか、様々な対称性が存在します。下図に示される青い部分が基本領域です。この基本領域が繰り返えされ、結晶の構造を作ります。

 

f:id:haru_negami:20161210184135j:plain

 引用元:

結晶群 (共立講座 数学探検 7)

結晶群 (共立講座 数学探検 7)

 

 

 

具体例を1つ書いたところで、筆者は力尽きました。。
 

f:id:haru_negami:20161210193252p:plain

 

 

なぜこの研究が重要か

 

さて、こうした、結晶構造を群論で表すことに、

どのような意義があるのでしょうか?


今後様々な研究の方向性が考えられますが、
私は、マクロな物質のふるまいを数式で表せるようになる
ということにあるのではないかと考えます。

 

たとえば2015年に出た論文には次のようなものがあります。

 

Orbits of crystallographic embedding of non-crystallographic groups and applications to virology

Reidun Twarock et al.

https://arxiv.org/pdf/1411.2115v4.pdf

 

この論文は、非結晶学的対称性を持つ物質の構造について、
結晶学的対称性の分野で得られた知見を応用しようと試みており、
具体例としてウィルスを挙げています。

非結晶学的対称性を持つ物質としては、
2011年にノーベル賞受賞となった準結晶などがあります。

参考:

http://www.edalabo.iis.u-tokyo.ac.jp/homepage_quasicrystal.pdf


このようにして、自然界に現れる結晶の構造や非結晶学的対称性についても数式で表すことが出来るようになれば、まだまだ研究の進んでいない生物の分野などにおいても、その性質が数学的に理解できるようになるかもしれません。

まだまだ研究は途上ですが、今後がとても楽しみな分野です!


今後体調が回復し次第、

・不連続群の幾何構造

・オービフォールド

・平面結晶群の分類定理の証明

・幾何構造からみた結晶群

・最近の研究成果

 

について追記します。
次回12/23にも担当があるので、そのときにも追記分を告知させてください。


さて!明日は可愛い可愛い妹の誕生日…ではなくて、

伊藤那由多さんによる、【巨大数(ふぃっしゅ数とは言ってない)】です!

 

巨大数は、ロマンティック数学ナイト((

ロマンティック数学ナイトはクリスマスイブに開催らしいぞ!

romanticmathnight.org

 カップルで行くと、グッズがもらえるらしいぞ!

 

))にて漫画家の小林銅蟲さん*3が発表され、その存在を知りました。とても驚きがいっぱいの概念です!

 


どんな記事になるのでしょうか??楽しみです!(´∀`*)

 

それではまた〜。

www.adventar.org



 

 

*1:

X線解説装置の原理とその応用が気になる方はこちらなど。

 

www.jaima.or.jp

 

DNAが二重らせん構造を持つことも、このX線構造解析により明らかにされました。

論文はフリーで読めます!

www.nature.com 

*2:3次元のユークリッド空間の合同変換は、らせん移動、並進鏡映、回転鏡映の3つです。

*3:小林銅蟲さんのツイッター

twitter.com